社会

日本より休みが少ないNZで過労死する人がいない理由

来週4月25日はアンザックデーというニュージーランドの祝日です。

戦争とは無縁のイメージがあるニュージーランドですが、その昔、祖国からはるか遠く離れた地で勇敢に戦った歴史を持ちます。

イギリス連邦に属しているニュージーランドは、第一次世界大戦時には連合国側に加わることになります。

1915年4月25日に開始されたガリポリ(トルコ)上陸作戦での激闘では、死者2,701名、負傷者4,852名という多数の死傷者を出しました。

しかし、英雄たちの戦場における活躍と犠牲によってニュージーランドの国際的地位は大きく向上することになります。

戦後、南太平洋のこの小さな島国は戦勝国となりイギリスとは独立した立場で、国際連盟の原加盟国として参加するに至ったのです。

当時、国のために尽くした人々を追悼する大切な日として、アンザックデーにはニュージーランド各地で様々なイベントが行われます。

 

|祝日が少ないニュージーランド


日本にはお正月休み、ゴールデンウィーク、お盆休み、最近はシルバーウィークなんてのもありますね。

数えてみたら今年の日本は祝日が「20日」もありました。

一方のニュージーランドは地域の祝日を除き、全国的な祝日はわずか10日しかありません。

  • 1月1日 元旦
  • 1月2日 元旦の翌日
  • 2月6日 ワイタンギデー
  • 3月30日 グッドフライデー
  • 4月2日 イースターマンデー
  • 4月25日 アンザックデー
  • 6月4日 クィーンズバースデー
  • 10月22日 レイバーデー
  • 12月25日 クリスマス
  • 12月26日 ボクシングデー

アンザックデーが終わると今年の祝日は残りあと4日。毎月のように祝日がある日本とは対照的です。

これだけ見るとニュージーランドは「休みが少なくてちょっとつらそうだな」と感じる人も少なくないと思います。

ただ、これはあくまでパブリック(国民的な)休日で、プライベート(私的な)休日はそれぞれまた別にとっています。

また日本と比べると「働き方が違う」というか、働くということに対する「考え方」が違うので、仮に休みが少なくても過労死するような人はまずいません。

自分のペースで働くことが当たり前で、店の中にお客さんがいてもレジ係の店員が何か食べながら仕事をしてることなんて普通の光景です。

先日は某有名観光地の入場券売場で販売員が棒アイスを食べながら仕事をしていました。おそらく暑かったんでしょう。

過剰にも思えるサービスとお客様第一主義が徹底された日本から来ると、この国で受けるサービスは”あっさり”したものなので「あれっ?やる気がないのかな?」と思うかもしれません。

 

|夕方5時になると街は静かに


僕が住む街では夕方5時になるとお店が続々と閉店してしまい、営業している店は一部の飲食店やスーパーなどわずかだけになります。

ロトルアの人口は約7万人でそれほど大きな街とは言えませんが、それでもここはニュージーランド有数の観光地です。

市の広報によると人口に数えられていない旅行者は常に1万人も滞在しているとのこと。

仮に日本でそんな街があれば夕方だけでなく夜も営業する店は多いと思います。

ここでは何か特別な事情がある場合をのぞいて残業はしません。

普段はみんな定時きっかりに仕事を切り上げて帰宅します。

定時近くになるとそそくさと閉店のための片付けが始まり、中には若干フライング気味に閉店してしまう店すらあります。

僕もある小売店に買い物をするのに入ろうとしたら、”閉店時間ギリギリだから”という理由で入店を断られたことがありました。

ニュージーランド人にとって仕事はもちろん大事です。プロ意識が高い人も多くいます。

ただ、プライベートを仕事と同じくらい大切にするので、アフター5の時間までも仕事に費やすなんてもったいないという感覚が根底にあるのでしょう。

日本では政府がわざわざ音頭をとってまでして仕事を早く切り上げて、国民をリフレッシュさせようとしています。

この状況はこちらの人にはまず理解されないでしょうし、仮に「サービス残業」なんて話題に出したものなら、「なぜそんなことをするのか」と質問責めにされそうです。

 

有給休暇、ちゃんととってますか?


平均20日間の有給休暇を与えられているニュージーランドの労働者。

その有休消化日数が15日に落ちているとのニュースが以前ヘラルド紙にありました。

この理由としては「有給休暇を次年度用にためている」「お金の心配があって旅行に行けない」が合わせて半分以上を占め、「忙しくて休みがとりにくい」という返答は2割ほどでした。

アンケートによると10人中9人は、ホリデー(有給休暇)をとったあとにより幸せを感じると答えています。

リフレッシュすれば当然仕事の生産性は上がり、会社にも良い影響が出るため2/3以上の管理職は従業員がホリデーをとることに協力的とのことです。

また首相がまもなく産休に入るニュージーランドでは、有給で利用できる産休は今年後半18週から22週に延長されます。

さらに昨年、国会は2020年までに「26週」まで伸ばす法律を可決しましたので、産休に対する社会の理解はより深まって行くことと思われます。

日本の状況はなんとなくわかる気がしましたが、調べてみるとやはり予想通りの結果が出ています。

旅行予約サイト「エクスペディア」が行った有給休暇の国際比較調査では日本の有給消化率は先進国の中では最低の「50%」でした。

日本で有給休暇をとらない理由としてまず挙げられるのが「職場の雰囲気」です。

さらに上司や同僚が有給をとらないと休みをとるハードルがさらに上がり、有給休暇届を出すのになぜか「勇気」が必要になります。

僕は日本でのサラリーマン時代、営業成績はともかく有給消化率だけは常にトップクラスでした。

しかし、休みをとりやすいと感じたことはたしかに一度もありませんでしたね。

 

|まとめ


日本人(特に男性)は仕事に対して「やりがい」だけでなく、「生きがい」まで求める人がいて、年齢が上がるほどその傾向が強い人が多いように感じます。

現在40代の僕もその毛は多分にあり、生きがいを感じながら働く場所を求めて地球の反対側まできてしまいました。

日本とニュージーランドの働き方や休みの取り方はそれぞれ全く違います。

双方の国には独自の歴史があり、ニュージーランドの場合は契約社会であるイギリス文化が色濃く反映されています。

ですので、どちらが良いのかを考えることにはあまり意味がありません。

日本でよく言われる「働き方改革」という言葉に違和感を感じるのは、仕事に対するプロ意識が高い日本人には働き方よりも「休み方改革」の方が必要なのではと思うからです。

水野敬也さんのベストセラー本、人生はワンチャンスに「攻めの昼寝」というページがあります。

良い仕事をするためにはしっかりとした休みが必要という意味なのですが、その秘訣がこの国にはありそうです。

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About りっく

観光ビザでニュージーランドへ渡航し、現地で働くために永住権取得。数年過ごした後、2005年日本に帰国。 宿泊施設運営、店舗経営、営業職などの職を転々と変えながら激しく働き貯金に励み、将来の目標である移住のため日本に住みながらニュージーランドに家を購入。 2018年、かねてからの目標であったニュージーランドへの移住計画を実行し現在ロトルアに在住。
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