社会

賃金が上がるNZと上がらない日本、どっちで働いてみたい?

2018年4月1日、ニュージーランドの最低時給は15.75セントから75セント増えて「16.50ドル」になりました。

これは過去10年で最も大きな上昇で16万人以上の労働者の賃金を改善することになります。

そして最低時給の上昇は今後3年間続く予定で、2021年には20ドルに達するそうです。凄いですね。

 

|日本の最低時給と比較してみると、、、


このニュースは人手不足と言われていてもなかなか賃金が上がらない日本とは対照的にうつります。

ニュージーランドと日本の最低賃金と比較してみたくなったので実際に計算してみました。

為替レートはNZ1ドル=78円として計算します。

ニュージーランドの最低時給16.50ドルは日本円に換算すると1,287円

対する日本は、最も時給が高い東京都の最低時給で958円(参考:厚生労働省東京労働局のHP)です。

その差は329円。ニュージーランドの最低時給は東京より3割以上も高くなっていることに少し驚きます。

さらにこの差をわかりやすくするため双方の国において、最低時給の条件でパートタイマー(1日4時間、1ヶ月20日勤務)として働いた場合の月給を計算してみます。

東京→時給958円×4時間/日×20日/月=76,640円

NZ→時給1,287円×4時間/日×20日/月=102,960円

102,960円ー76,640円=26,320円

もう少し掘り下げて、最低時給が日本で最も低いX県の時給737円(参考:厚生労働省HP 地域別最低賃金の全国一覧)との比較をしてみます。

X県→時給737円×4時間/日×20日/月=58,960円

NZ→時給1,287円×4時間/日×20日/月=102,960円

102,960円ー58,960円=44,000円

時給で550円の差はちょっと大きすぎますね。月給は思わず目を疑いたくなるような差になりました。

日本の場合、パートでも交通費が出たりすることもあるので待遇面を含めれば差は多少縮まるかもしれません。

しかし、最低時給だけで見ればニュージーランドは日本を”大幅に”上回っています。

しかも最低時給がこれから3年上がり続けるニュージーランドと日本の差はさらに開いていくんでしょうね。

 

|労働賃金が上がれば物価も上がる!?


安くて品質が良いモノやサービスに溢れている日本。

そんな国からニュージーランドに来るとすぐに感じるのが「なぜこの程度の物がこんな高い値段で売られているの?」ということです。

ニュージーランドの全体的な物価は日本と比べるとはるかに高いと感じるのは僕だけではないでしょう。

特に「住居費」はそのリーダー格です。

いま僕が払っている家賃は週330ドル(約2万5千円)で、月にすると1,414ドル(約11万円)

借りているのは決して豪華な家ではありません。地方の街にある4連長屋の1つで間取りは「1LK」です。

もっと他になかったのかと聞かれそうですが、賃貸に出ている物件数が少なすぎて選択の余地はありませんでした。

最低時給が上がったことで、今後は「物価」にも影響が出てきます。

特にパートタイムで働く従業員を多く抱える産業(カフェやファストフード等の飲食業、ホテルなどの宿泊業等)では、さっそく商品やサービスの値上げをする企業も現れています。

賃金が多少上がっても相対的に物価が高ければ、暮らしぶりは変わりません。というか変えられません。

また、賃金だけが一人歩きして上がっていき企業が利益を出せなくなれば雇用を減らさざるを得なくなり、結果的に失業が増えるリスクもあります。

それでも最低レベルから賃金を底上げすることは個人的には良いことだと思います。

ただ、それには物価や雇用への影響という副作用があることは覚えておかなければならないのでしょうね。

 

|勢いを増しているアジア諸国


そんな物価が高いニュージーランドへも海外からの旅行者はひっきりなしにやって来ます。

僕が住むロトルアはNZ有数の観光地であるため、市内のいたるところで外国人旅行者を見かけます。

その中でも目につくのは“日本人以外”のアジア人旅行者

実際はどうなのか。過去1年の外国人旅行者のデータ(参考:Tourism New Zealand HP Markets & Stats)を見れば一目瞭然です。

今回はアジア諸国に絞ってチェックしてみます。

中国:331,376人(前年比9.3%増)

日本:69,072人(前年比1.0%減)

韓国:67,152人(前年比13.4%増)

東南アジア(シンガポール0.5%増+マレーシア0.2%増+タイ13.5%増):95,184人

インド:28,624人(前年比8.8%増)

日本のみ前年比で減少していて、そのほかの国・地域は、上昇幅こそまちまちですが増加しています。

ロトルアではなぜか日本人を見かける機会があまりありません。そのため日本人観光客が減っているというデータに思わずうなずいてしまいます。

対照的によく見かけるのは中国や韓国の団体客、東南アジアの若者たちやカップル、インド人の家族旅行など。

彼らの服装や持ち物を見ると経済力が上がっていることをうかがい知れますが、彼ら全てが富裕層というわけではなく「普通の人々」もたくさんいます。

 

|個人にとっての働き方改革とは


僕が初めてニュージーランドに来たのは2001年。その当時のNZの最低時給は7.70ドルで、日本は664円でした。

あれから17年が経過して、ニュージーランドの時給は2.14倍になったのに対し、日本は東京のレベルでも1.44倍にしかなっていません。

全国最低レベルのX県に至っては1.1倍と17年前とほぼ変わっていないという状況です。

日本は低賃金と低物価の世界に長くいるうちにそれに慣れてしまい、今もずっとそこにとどまっているように思えます。

長期デフレの日本からインフレが続いたニュージーランドへやって来て賃金や物価が高く感じるのは当然の結果でした。

経済大国であると自負していたつもりが、個人所得水準ではすでにニュージーランドに追い抜かれてしまっているかも知れず、さらにアジア諸国の経済パワーが急接近しているのを実感しています。

日本の賃金が上がらないのは根っこに構造的な問題があるので、そう簡単に解決できるものではありません。

であれば、自分のスキルを磨いて日本より賃金が高い国で働いてみることが、個人にとっての働き方改革になるのかもしれません。

特に若い方の場合はワーキングホリデービザという海外で働けるチャンスが与えられています。

海外から日本を客観的にみるとこれまでの常識が覆されたりして視野が一気に広がることがあります。

興味のある日本の若者にはぜひトライしてもらいたいものです。

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About りっく

観光ビザでニュージーランドへ渡航し、現地で働くために永住権取得。数年過ごした後、2005年日本に帰国。 宿泊施設運営、店舗経営、営業職などの職を転々と変えながら激しく働き貯金に励み、将来の目標である移住のため日本に住みながらニュージーランドに家を購入。 2018年、かねてからの目標であったニュージーランドへの移住計画を実行し現在ロトルアに在住。
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