社会

異常気象から逃れらるか?私たちに残された時間はわずか!?

ニュージーランドはすっかり秋めいてきましたが、日本は春

新学期が始まった4月2日、九州地方で気温が27℃を記録したというニュースを見ました。

気温が25℃を越えると夏日と呼ばれますが、春になっていきなり夏に突入?みたいな気温の急上昇には戸惑いますね。

「温暖化」の影響なのか、季節の境目がわかりにくくなっているような気がします。

ニュージーランドでも気温が上がっているのは同じです。

十数年前にオークランドに住んでいた頃に、エアコンがある家はそれほど多くなかったように思います。

しかし、今ではエアコンがあることは一般的になっていて、オークランドよりも平均気温が2〜3℃低いロトルアでもエアコンを設備する家は増えています。

NASA(アメリカ航空宇宙局)によると、1880年から続けている地球の気温観測で「2017年は2番目に気温が高かった年」だとの報告がされています。

 

|気温が上がれば海水面も上がる!


 

NASAの報告の中では、気温上昇によって地球上の海水面の上昇が加速しているとの指摘が気になります。

これには、気温上昇によって海水が膨張していることと、地球上の氷(特にグリーンランドと南極の氷河)が溶け出していることの2つが主な原因と考えられています。

ニュージーランドは南極に近い場所に位置し、環境保全にも熱心な国です。

日本同様、海に囲まれていますので、海水面が上がれば、海沿いの街は大きな影響を受けることになります。

実際、最大都市のオークランドと首都ウエリントンは海に面しており、海水面がこのまま上がり続ければ多くの人々の生活に影響を及ぼすことは必至です。

ウエリントン市議会の職員のAudainさんは、温暖化の影響をわかりやすく市民に伝えるため、2年をかけて作成したバーチャルリアリティ映像を公開した、と現地のニュース番組One Newsが伝えています。

実際の映像を見るとたしかに言葉で説明されるよりもわかりやすく、またショッキングにも感じました。

海水の高さが1m上がるだけでウエリントンの有名なオリエンタルパレードビーチは海の下になります。

そして、6m上昇すると、海から直線距離でおよそ500mほど離れている国会議事堂にまで海水が及び、その間にある道路は海に沈み建物は海水に浸ってしまうことになるのです。

現在の海水面上昇のペースでは、海抜が6mも上がるには数百年から1000年はかかりますので少し大げさな感じもします。

しかし、海沿いの街は津波や高潮によって突発的に海水が押し寄せることも考えられます。

その具体的な影響を事前に把握するためにもこのバーチャル映像は役立つとおもいます。

 

影響を受けるのは海沿いだけじゃない


 

自然災害が多い日本でもこうしたバーチャル映像は作成されています。

特に南海トラフ地震の発生が懸念されることで、津波発生時のシミュレーションは海沿いの街にとっては非常に重要な作業です。

一方、海水面の上昇はゆっくり進行するので、津波と比較すると深刻にはとらえられていないように思います。

”海沿いエリア”にさえ住んでいなければ影響はないだろうと考える人も多いのではないでしょうか?

Flood Map(洪水地図)というサイトでは海水面上昇の影響を受ける場所がピンポイントでわかるようになっています。

仮に「1m上昇」と入力してシュミレーションをしてみました。

すると、海から少し離れた内陸エリアがなぜか影響を受けています。東京でいうと荒川下流域あたりですね。

海水面が上がると川の水位にも影響を及ぼし、猛烈な大雨をともなう台風が発生すれば川が氾濫し、洪水の危険が高まります。

Flood Mapを見ていて感じたのは、海沿いよりもむしろ危険なのは”川沿い”なのかもしれない、ということでした。

NASAの研究者によると21世紀末までに上がる海水レベルは「66cm」であるとのこと。

しかし、この数字はあくまで”少なく見積もって”との条件付きです。

現時点で、グリーンランド氷床の溶解レベルは把握しきれておらず、今後の海水面上昇スピードを正確に予測することはできません。

このまま温暖化の進行が続けば、21世紀末を待たずに海水面が1m上昇することもあり得るかもしれません。

 

|ニュージーランドならではの温暖化対策?


 

ニュージーランドの羊の数は人口よりも多い、なんて聞いたことをありますでしょうか?

酪農王国ならではのトピックですが、実際の数は約2,760万頭で人口(470万人)の5.8倍もいます。

そして羊の次に多い家畜が「牛」です。

乳牛(約650万頭)と肉牛(約360万頭)を合わせると約1,000万頭以上おり、羊と合わせるとおよそ4,000万頭近い数になります。

家畜が人間の8倍以上もいる国ですので、温暖化対策についても少しユニークな試みがありました。

温暖化を招く原因としてすぐに思いつくのは二酸化炭素ですが、実は「メタンガス」の影響も小さくありません。

経済誌エコノミストによると、二酸化炭素よりも「25倍」も強い温室効果があるメタンガスは、産業革命が始まって以来、地球温暖化の原因の約14%を占めていると言われています。

一頭の牛がゲップとして1日に排出するメタンガスは500リットル

さらに糞尿から発せられる亜酸化窒素には二酸化酸素の300倍もの温室効果作用があると言われるほどです。

農業部門から排出される二酸化炭素はニュージーランド全体のおよそ半分を占め、その原因として考えられるがこうした家畜の排出物です。

そこに注目したニュージーランド政府は、酪農家に対して「家畜一頭あたり○○ドル」という”ゲップ税”を課税し、その資金を二酸化炭素削減のための研究費用とする法案をかつて国会に提出したことがあります。

結局、農家の猛反対にあってその法案は可決されませんでしたが、家畜が温暖化に及ぼす影響が小さくないことは事実です。

国の主要産業である「酪農を伸ばすこと」と「自然環境を守ること」を両立させるのはこの国にとって難しい課題になっています。

 

|まとめ


 

異常気象がもたらす大雨や台風は世界中で猛威をふるっており、日本でも毎年のように大規模な自然災害が発生しています。

ニュージーランドでは、今月、オークランドをハリケーンが襲い大規模停電が発生。

タラナキでは竜巻によって住宅が破壊される被害が出ました。

日本の京都で開催された地球温暖化防止会議から20年が経過しましたが、状況は必ずしも改善しているとは言えません。

環境学が専門の山本良一、東京大学名誉教授による「人類に残された時間はあと20年程度。対策がそれ以上遅れれば手遅れになる」という言葉は、そんなに危機的な状況なのかと考えさせられます。

頭の良い学者さんたちが考えて、国や企業が協力しても状況が変わらなければ、あとは僕ら一般市民の努力にかかっているのかもしれませんね。

にほんブログ村 海外生活ブログ ニュージーランド情報へ

About りっく

観光ビザでニュージーランドへ渡航し、現地で働くために永住権取得。数年過ごした後、2005年日本に帰国。 宿泊施設運営、店舗経営、営業職などの職を転々と変えながら激しく働き貯金に励み、将来の目標である移住のため日本に住みながらニュージーランドに家を購入。 2018年、かねてからの目標であったニュージーランドへの移住計画を実行し現在ロトルアに在住。
View all posts by りっく →

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です