社会

老後の心配をなくすために必要なのは「お金」じゃない理由

大学生の甥の就活が始まったらしく、近々、実家近くの企業就職説明会に参加するとのことをLINEで知らせてきました。

彼は関東の大学に通っていたので、東京の企業へ就職するんだろうと勝手に想像していました。

おばあちゃん子で、両親や妹のことを常に気にかける優しい性格の持ち主。

長い休みの時はバイトで貯めたお金で買ったお土産を持って帰ってきます。

親元を離れて暮らしてみてそのありがたみを感じたことが、地元に帰ることを決めるきっかけになったのかもしれません。

僕ら夫婦には子供がいないので、将来年をとり身体が不自由になっても子供の世話になれないという不安はあります。

しかも海外に住んでいるわけですから、老後にどういう暮らしになっているかなんてまだ想像もつきません。

 

|年金っていくらもらえるの?

 

ニュージーランドの年金受取額は各個人の「要件」によって変わります。

その要件というのは、大まかに言えば「シングルかカップルか」「収入による所得税率」の2つです。

また、シングルでも家に1人で住んでいるのか、何人かで住んでいるのかによっても金額が変化します。

例えば、1人で住んでいる人より家族や誰かとシェアして住んでいる人の方お金はかからないはずだから、年金はすこし少なくてもいいでしょ、という理屈です。

カップルもパートナーとの関係が基準を満たしているかどうかで微妙に金額が増減します。

「2人の関係が基準を満たす?」不思議に思われる方もいるかもしれませんが、正式に結婚している人だけでなく、「事実婚」のような関係の方も多くいるためこのような表現になります。

前回のブログで書いたアーダーン首相のお相手も「ハズバンド」ではなく「パートナー」と呼ばれているので、いわゆる婚姻関係ではないのだと理解しています。

現在、僕は妻の永住ビザを申請しているのですが、婚姻関係があり長年連れ添っていることを証明するための書類を審査官に提出しています。

それらは日本の市役所からの婚姻証明だけではなく、旅行先で一緒に撮った多数の写真や二人の名義になっている家の登記簿謄本、二人の名前と住所が明記された手紙や公共料金の請求書等々。

ありとあらゆる書類を揃えて二人が本当に結婚していてその関係が現在まで続いていることを証明しなくてはなりません。

カップルの関係もパターンがいくつかあるとごまかす人も少なくないためか、役所も簡単には信用せず、時間をかけて慎重に判断されることになります。

もう一つの要素である税金について、ニュージーランドの所得税は日本と同じ累進課税方式です。

年金は税率が高い(収入が多い)人ほどもらえる額が少なくなるシステムで、税率が高い人と低い人で最大約30%も年金をもらえる額が変わってきます。

具体的な年金額はというと、シングルの人で1ヶ月あたり約1,300ドル〜1,700ドル(約102,000円〜約134,000円/1ドル=79円計算)

カップルの場合は一人当たり約950ドル〜1,300ドル(約75,000円〜約102,000円)です。

これだけで普通に暮らしていくのは非常に厳しい(個人的には無理です)金額なので、十分な貯金がなければ年をとっても働き続けなくてはなりません。

 

|日本人は老後が不安でしかたない!

 

日本の厚生年金の平均月額はおよそ145,000円(厚生労働省調べ)です。

年金は働いていた期間と給料によって変わるので、出産後に専業主婦になったりパート社員として働くことも多い女性と正社員で長年働き続けること人が多い男性との差は大きくなります。

平均受給額は男性で月額約167,000円、女性は約103,000円となっており、年間で約77万円もの開きがあります。

ただ、金額だけで比較すると日本はニュージーランドよりも多くもらえますし、さらに日本人は貯金を多く持っています。

内閣府の調べでは、世帯主が60才以上の世帯貯蓄額の中央値はおよそ「1,600万円」で「3,000万円以上」の世帯も3割近くにも上ります。

また住居費をはじめ物価が低く抑えられているので高齢者の暮らし向きはそれほど悪くはならないはずです。

ところが老後を心配する人は非常に多く、若い人でも将来を悲観する人が少なくありません。

たしかに日本の年金生活者の貧困率はおよそ「3割」とOECD諸国(12.5%)と比べても高いことがわかっています。

また、平均寿命が長く高齢化社会が加速していく日本で、現役世代が高齢者の生活を支える現在の年金システムには問題があり、いずれ破綻すると言われてもおかしくありません。

日本は資本主義ですがアメリカのように少数のお金持ちが富を独占しているような国ではなく、中間層に(特に一部の高齢世帯)に富が蓄えられています。

その層に入るためには待遇の良い企業の社員または公務員になり、長期間フルタイムで働くということが求められます。

現在、貯蓄をしっかり持ち、十分な年金をもらいながら生活している高齢者はまさにそうした働き方をしてきた人が多いはずです。

そこに属していない人々がお金を蓄えるのは大変で、また仮に貯金ができても銀行利息はつきませんので蓄えを増やすことは簡単ではありません。

 

|ライフワークとしてできる仕事をする

 

貯金はできない、年金ももらえない、だから不安になる。

たしかに理解できます。ただ、お金にとらわれ過ぎるとお先真っ暗闇になるので「考え方」を変えるしかありません。

先ほども触れた通り、ニュージーランドは日本よりももらえる年金は少なく、OECD諸国との比較でも年金額は十分ではないことが報告されています。

しかし、年金受給者の貧困率は「10.6%」と日本のおよそ1/3ほどで、OECDの平均よりも低いのです。

これには65歳を過ぎても元気に働き続けている人が多いという背景があります。

他国との比較でも高齢者の労働参加率は高く、少ない年金を労働からの収入で補っていることで貧困率が低くなっているのです。

労働することは収入をもたらすだけではなく健康維持にも効果があり、医療費を削減することにもつながります。

こういう話をすると「死ぬまで働けというのか」と反論をされそうですが、「労働=苦労」という考えではいつまで経っても老後の不安は消えません。

年をとってもやり続けられることを仕事にして収入を生み続けられれば、老後の不安はなくならないまでもずっと和らぐはずです。

 

|まとめ

 

大学生の甥から就職説明会に参加する企業の名前を聞いたとき「地元で有名だから」という理由で選んでいないか、聞きたくなりました。

社会人としてのキャリアをスタートさせる会社を、給料やブランドよりも「自分がずっとやっていきたい事」を基準に選んでもらいたいと思うからです。

仕事を生活の糧を稼ぐ手段としてだけではなく、ずっと付き合っていけるライフワークにしていくことって、これからの働き方として大事になるんじゃないかなと考えています。

僕は日本でいうところの二種免許がとれ次第、この観光の街でガイドの仕事も始める予定です。

「ジイさん」になっても続けることを目標にしています。

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About りっく

観光ビザでニュージーランドへ渡航し、現地で働くために永住権取得。数年過ごした後、2005年日本に帰国。 宿泊施設運営、店舗経営、営業職などの職を転々と変えながら激しく働き貯金に励み、将来の目標である移住のため日本に住みながらニュージーランドに家を購入。 2018年、かねてからの目標であったニュージーランドへの移住計画を実行し現在ロトルアに在住。
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