生活

将来がちょっと不安になるニュージーランド医療の今

健康診断を受けるために近くの医院に行ってきました。

それほど広くはない待合席は順番を待つ人で埋まっています。

また、受付で手続きしている間に僕の後ろには人が並んでいました。

季節が秋から冬に向かうこれからはインフルエンザの予防接種を受けに来る人も多いようです。

毎年、ニュージーランドではおよそ4人に1人はインフルエンザに感染し、多くは発症しないものの知らず知らずのうちに他者にうつしてしまう可能性があります。

インフルエンザで重症化するリスクがあるのは高齢者です。

オタゴ大学の調査によると、インフルエンザが原因で毎年約500人が亡くなっているとのことで、そのうち最も多い割合を占めるのは65才以上の方々です。

そのため、高齢者(65才以上)は予防ワクチン接種を無料で受けることができます。

また、妊娠中の女性や特定の病気(または既往症)を持つ子供や成人などは無料接種の対象となっています。

予防接種の詳しい情報は、Immunisation Advisory Centreのサイト(https://www.fightflu.co.nz/)をご確認ください。

 

|医師が不足しているってホント?


日本で病気にかかった時は、評判の良い病院や医者を探したり、知り合いに聞いたりして「一番良さそうなところで診てもらう」なんてことができました。

ニュージーランドでは救急の場合を除き、どんな病気や怪我でもまずは、かかりつけ医のGP(General Practitioner)に診察をしてもらいます。

GPは、一般的に自分が住むエリアで探し、登録をします。

国民の身近な存在で、健康を守る大切な役割を担っているGPですが、その数が減少するという記事がヘラルド紙にありました。

GPは今後10年でその「47%」がリタイヤしてしまい、5年以内に退職するGPも27%にも上る、とのことです。

この事態に至急対処しなけば「病気になっても医者に診てもらえない」なんてことが将来起こり得ると記事は伝えています。

医師を増やすためには、まず「医学生を増やす取り組み」から始めなければなりませんので時間がかかります。

ですので、海外からやって来る医師は医師不足を補う上でとても貴重な存在のはずです。

ラジオ番組のNewstalk ZBは、海外の医師がニュージーランドへ移住後、医療現場に立つまでに何年もの時間がかかる現状を伝えています。

昨年、南アフリカから移住してきたある医師はGPとして14年のキャリアがあります。

しかし、彼女がニュージーランドのGPになるには、まず現地の医療試験を受験しなければならず、受験日まで1年半も待たなくてはなりません。

さらに合格後2年間は見習いの「インターン」として働く必要があるとのことです。

専門家は年間300名のGPが必要としており、その数を達成するのはかなり大変な模様です。

病気になっても医者に診てもらえないという未来が現実にならないことを祈るばかりです。

 

|かかりつけ医(GP)の診察料が高い!?


日本で風邪をひいて病院で受診すると、薬代を含まない受診料(初診料+処方箋料)は1割負担の方で数百円、3割負担でも千円程度です。

一方、GPの受診料は、60ドル〜100ドル(約4,600円〜約7,700円)ほどかかります。

低所得者の人々の中にはこの負担は大き いため、病気であっても経済的な理由でGPの受診を受けない人が多く、その数はおよそ50万人にも達します。

総人口が「470万人」の国ですので、その割合の高さに驚きます。

保健省のクラーク大臣は、このままではGPの診察を受けないことで病状を悪化させて入院する結果になってしまいかねないと懸念しています。

また、ニュージーランド医師協会のパウエル氏によれば、病院の待合室の混雑や緊急医療の忙しさはオークランドだけではなく、国全体に及んでいるとのこと。

この状態は昨年から続いており、例年であれば落ち着く時期でも患者で溢れ、医療スタッフが足りていないのが現状のようです。

人口が急増していることに加え、地域医療も万全とは言えず、救急で運ばれて来る患者は入院の必要がある状態であるとパウエル氏は述べています。

先ほどのクラーク保健大臣の懸念はすでに現実化しているのかもしれません。

この状況を改善すべく、労働党は補助金を増やすことによって、GP受診料を引下げることを昨年の選挙公約の1つに掲げていました。

しかし、アーダーン首相はメディアのインタビューに、病院施設のアップデートや医療スタッフの待遇改善など他にも医療予算を配分する必要があると答えており、GP受診料が下がるかどうかは定かではありません。

今年度の政府予算は5月中旬以降に発表される予定です。

 

|まとめ


日本ほどではありませんが、ニュージーランドでも「高齢化」が進んでおり、医療へのニーズはこれからもっと高まっていくのに違いありません。

しかし、それを支える医療現場は逼迫しており、専門医に見てもらう必要がある病気になっても公的な病院の順番待ちは長くなる一方です。

医療費も日本のように安くはなく、病気になればその負担は重くのしかかります。

ニュージーランドは福祉が充実しているイメージがありましたが、医療サービスについては日本の方が安心できる環境だと感じます。

40も半ばにさしかかり、健康への不安がないとは言えない年代になりました。

安心して暮らしていくために民間の医療保険に加入することも検討すべきなのかもしれません。

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About りっく

観光ビザでニュージーランドへ渡航し、現地で働くために永住権取得。数年過ごした後、2005年日本に帰国。 宿泊施設運営、店舗経営、営業職などの職を転々と変えながら激しく働き貯金に励み、将来の目標である移住のため日本に住みながらニュージーランドに家を購入。 2018年、かねてからの目標であったニュージーランドへの移住計画を実行し現在ロトルアに在住。
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